虫こぶ形成誘導因子,CAPペプチドの発見
私たちは,未知の「虫こぶ誘導物質」を単離するために、虫こぶ形成期のヌルデシロアブラムシに発現上昇する遺伝子の中から、N末端に分泌シグナルを持ち、植物の遺伝子と相同性を持つ遺伝子をin silicoの解析を行いました。
その結果、酵母から、動物、植物まで広く保存されたタンパク質であるCysteine-rich secretory proteins, Antigen5, and pathogenesis-related 1 proteins (CAP)を、虫こぶ形成因子候補として同定しました。さらに,CAPのC末端付近に、高度に保存されている領域があることがわかりました。そこで、保存領域であるC末端の保存領域を含むペプチド配列(CAPペプチド)を化学合成して、モデル植物シロイヌナズナに処理したところ、シロイヌナズナの芽生えで、遺伝子発現パターンが大きく変化し,虫こぶで発現している遺伝子群が発現することを見出しました.